データで見るJリーグの「勝ち点」と「得点」の関係

データで見るJリーグの「勝ち点」と「得点」の関係

本記事では、J1リーグのシーズン最終成績の「勝点」と「得点」との間の関係を簡単に分析してみました。


まずは、2003~2022年の20年間分のJ1リーグの成績で、「勝点」と「得点」の相関係数を計算すると、0.77になりました。

相関係数は -1 から 1 までの数値をとり、その数値によって以下のように2変数の間の相関関係を表す指標です。
従って、相関係数:0.77ということは、「勝点」と「得点」の間には、強い正の相関があるということになります。

これはすなわち、「得点」が高ければ「勝点」も同様に高くなり、「得点」が低ければ「勝点」も低くなる傾向がある、ということを意味します。



相関係数
関係
-1.0 ~ -0.7 強いの相関
-0.7 ~ -0.4 の相関
-0.4 ~ -0.2 弱いの相関
-0.2 ~ 0.2 ほとんど相関がない
 0.2 ~ 0.4 弱いの相関
 0.4 ~ 0.7 の相関
 0.7 ~ 1.0 強いの相関


それでは、実際のデータを見てみましょう!


J1リーグ20年間の「勝点」と「得点」の相関関係の推移は?


20年間全体で見ると強い正の相関があった「勝点」と「得点」について、年度によってその関係性に "ばらつき" があるのかを確認してみました。

次のグラフは、2003~2022年の各年度の「勝点」と「得点」の相関係数の推移を表しています。
常に「正の相関」にはありますが、やはりシーズンによって多少の変動はあるようです。


▼2003~2022年の「得点」と「勝点」の相関係数の推移:



次に、相関関係の変動が比較的大きかった直近5年(2018~2022年)のシーズンについて、「勝点」と「得点」の関係を見ていきたいと思います。


J1リーグ 2018~2022年の各シーズンの「勝点」と「得点」の関係は?


<2018年>

▼2018年の「得点」と「勝点」の関係:
 相関係数 = 0.46 (正の相関)


2003~2022年の20年の中で最も相関の低い年でした。実際、川崎Fが抜きんでた状態でしたが、他の攻撃力の高かったチーム(横浜FM、清水、名古屋)の勝点が伸び悩んだ年度のようです。

また、鳥栖は降格した2チームと比べても得点力のかなり低いチームながら、粘り強く降格を免れた様子が見てとれます。


<2019年>

▼2019年の「得点」と「勝点」の関係:
 相関係数 = 0.70 (強い正の相関)


2019年は最終節の直接対決(横浜FM vs FC東京)で優勝が決まった年でした。

2018年と比較すると相関係数の値も上がっており、上図からも全体的な傾向として得点力と勝点との関係が見てとれます。

その中でも、FC東京、C大阪、広島は、得点力はそれほど高くなかったけれども、順調に勝点を積み上げたチームであり、その一方で、神戸、G大阪、札幌は、得点力はあっても勝点があまり積み上がらなかったチームであったことが分かります。


<2020年>

▼2020年の「得点」と「勝点」の関係:
 相関係数 = 0.67 (正の相関)


2020年は川崎Fの独走状態であったことが、上図からも一目で分かります。

この年は川崎Fの印象が強すぎるのですが、改めて成績を振り返ってみると、横浜FM、柏の得点力は高水準であったことが分かります。

ちなみにこの年はコロナ禍のルールとして、降格なしのシーズンでした。


<2021年>

▼2021年の「得点」と「勝点」の関係:
 相関係数 = 0.91 (強い正の相関)


相関係数の高さからも分かりますが、全体的に得点力と勝点には強い関係があったことが上図からもすぐに分かりますね。
川崎Fと横浜FMの2強を色濃く反映した図になりますね。


<2022年>

▼2022年の「得点」と「勝点」の関係:
 相関係数 = 0.86 (強い正の相関)


2021年に引き続き、川崎Fと横浜FMの2強時代が表現された図になりますね。
この2チームと、それ以外のチームとで攻撃力に大きな差があることが一目で分かります。



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